厨房換気扇の「吸いこみが弱い…」
まず疑うべき原因と、失敗しない改善の順番
厨房の吸いこみ低下は、換気扇(ファン)だけが原因とは限りません。 実際には、グリスフィルタ詰まり・ダクト内の油堆積・外部フードの閉塞・給気不足(厨房の負圧)・ファン能力不足/劣化が いくつか重なって起きることが多いです。 そのため「とりあえず強いファンに交換」より、原因を切り分け→必要な対策を最小工事で進めるのが近道です。
- ・モーターの焼けた臭い/発熱が強い
- ・ブレーカが落ちる/漏電遮断器が作動する
- ・金属音・異常振動が急に増えた(羽根車の破損や軸受劣化の可能性)
- ・油垂れがひどい/ダクト周りが異常に汚れている(堆積・閉塞が進行している可能性)
吸いこみ低下が続くと、厨房内に煙・蒸気が滞留しやすくなり、作業環境の悪化だけでなく 臭気が客席に回る/空調が効かない/油堆積が進むなど二次被害につながります。
① フィルタ詰まり
グリスフィルタが目詰まりすると、フードの抵抗が増え風量が落ちます。まずは清掃周期と状態確認。
② ダクト内堆積・閉塞
油が堆積すると断面が狭まり、静圧が上がって風量が出ません。清掃口の有無も重要です。
③ 外部フード/排気口の閉塞
外部フードに油・埃が付着、鳥害対策ネットが詰まるなどで排気が“出口渋滞”します。
④ 給気不足(負圧)
排気だけ強くしても、給気が足りないと風量が伸びません。ドアが重い・隙間風が強いのもサイン。
⑤ ファン能力不足/劣化
ベアリング劣化、羽根車の油付着、ベルト摩耗、モーター出力低下などで能力が落ちることがあります。
| フード・フィルタ | フィルタの詰まり、整流板の汚れ、フード内の油だまり、捕集方式の適合 |
|---|---|
| ダクト | 経路(曲がり回数/距離)、堆積・閉塞、清掃口の有無、継手部の漏れ、ダンパの固着 |
| 外部排気 | 外部フード・ガラリ・防虫網の詰まり、風の出方、雨仕舞い・逆流の有無 |
| 給気 | 給気扇の有無・能力、給気経路、厨房の負圧(ドア開閉の重さ/隙間風)、空調連動の有無 |
| ファン・電気 | 銘板(型番/能力)、運転電流、振動・異音、羽根車の汚れ、ベルト張り/芯出し、制御盤(インバータ) |
事前に写真があると原因の当たりが付きやすいです:フード全体/フィルタ/ファン銘板/ダクト接続部/外部排気口/制御盤
① 清掃(まず最初)
フィルタ・フード内清掃で抵抗を下げます。油が厚く堆積している場合は、ダクト清掃も検討。
② 給気の見直し
給気不足は“吸いこみが弱い”の定番原因です。給排気バランスを整えて風量を伸ばします。
③ ダクト改善
経路の曲がり・断面不足・外部閉塞を解消。必要に応じて清掃口追加や外部フード更新も。
④ ファン更新/能力再設定
劣化・能力不足の場合は更新へ。風量×静圧の再設定で“強くしたのに改善しない”を避けます。
いきなりファン交換すると、原因が給気不足や閉塞だった場合に改善しないことがあります。 まずは抵抗を下げる(清掃・閉塞解消)→給気→最後にファンの順が確実です。
状況ヒアリング・写真確認
「いつから弱いか」「ピーク時だけか」「臭い戻りはあるか」などを整理。 写真があれば、現地前に原因候補を絞れます。
現地調査・原因切り分け
フィルタ・ダクト・外部排気・給気・ファン/電気を確認し、 風量低下の“主因”を特定。必要対策を優先順位で整理します。
改善施工・試運転
清掃・閉塞解消・給気改善・ファン更新など、必要な範囲で実施。 試運転で吸いこみ(体感・異音・振動)と運用面の注意点を確認します。